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第54回 映画「英国王のスピーチ」に学ぶ 受け入れる生き方

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(今週の写真:It's a rainy day.)

この映画の存在を知ったのは、2012年5月のことだった。

第14回「子どもの心」研修会で受講した、
伊藤伸二先生の講演『「吃音否定」から「吃音肯定」への吃音臨床』がきっかけだ。
伊藤先生は日本吃音臨床研究会の会長であり、吃音研究の第一人者である。

映画「英国王のスピーチ」 (2010)は、第二次世界大戦開戦時の史実に基づいたもので、
幼少時から吃音に強い劣等感を持ち、国王としてのスピーチに不安と恐れを持つ
英国王ジョージ6世と、当時植民地であったオーストラリア出身のスピーチセラピスト、
ライオネル・ローグとの、吃音治療と克服の過程が描かれた映画だ。
脚本を手がけたデヴィッド・サイドラーもまた吃音経験者であり、
映画の中で描かれる吃音治療法は、現在でもほとんど変わっていないという。

この映画を知ってから2年以上経つ間に、私自身の心境の変化と、
また実際に吃音の相談を受けることもあって、「英国王のスピーチ」をあらためて鑑賞した。

吃音に悩むジョージ6世を、ローグが、妻が、周りの人々が支える。
いかにどもっていようとも、逃げずに立ち向かった。

戴冠式の準備の中、王座に座って挑発するローグに対しジョージ6世がいうセリフ、
「Because I have a voice!(私には(国王として)”発言権”があるからだ!)」。
ローグは「Yes, you do.(確かに、"声"をお持ちだ)」と答える。
国王としての強い自覚が吃音を克服しようとする。

最後の開戦のスピーチでは、途切れながらも一言一言を丁寧に語る言葉が、
国民の心を深くとらえた。

伊藤先生は言う。
「吃音の真の問題は、どもることではなく、吃音から受けるマイナスの影響だと。
吃音を否定し、隠し、話すことから逃げることが吃音の問題を作っている。
これらのマイナスの影響を受けないために吃音について学び、正しい知識を持つ必要がある」と。

吃音があっても、そんな自分を否定するのではなく、どう受け止め、どう生きるか。
私自身は吃音はないが、話し方が遅く、からかわれることもある。
少しこもった声で聞き取りにくく、自分の話し方には自信がなかった。

「英国王のスピーチ」は自分を受け入れる生き方を学ぶことができる、いい映画だ。

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by takeuchi-cl | 2014-07-14 09:00
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