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第92回 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』

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(今週の写真:見上桜 )

リチャード・P・ファインマンは米国出身の物理学者である。
1965年に量子電磁力学への寄与に対してシュウィンガー、朝永振一郎と共に
ノーベル物理学賞を受賞。『ファインマン物理学』の著者としても有名だ。

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』のタイトルは、一度聞いたら忘れられない。
ぼくは何年か前からこの存在を知っていたが、ずっと気になっていたのだ。
最近、やっとのことで読むことができた。念願の一冊である。

この本は、ファインマンのユーモラスで常識破りの人生をつづった逸話集になっている。
彼はマサチューセッツ工科大、プリンストン大学で理論物理学を学び、
コーネル大学教授、カリフォルニア工科大学教授を歴任しつつも、
ボンゴ・ドラムを叩いたり、絵を描いて個展を開いたり、ブラジルでサンバをやったり。
自由奔放。しかも、どれも本気だからすごい。

「考えるだけで」ラジオを直した子ども時代からの旺盛な好奇心や、
謎を解くまで諦めない根気強さといたずら心が、彼の生涯を通して貫かれている。
特に、アリが幾何学的感覚を持っていないことを証明した実験の話は、ぼくに強い印象を残した。

ファインマンは原子爆弾開発プロジェクト ”マンハッタン計画” に参加している。
一度は断ったものの、ヒトラーが先に原子爆弾を開発するおそれを懸念して参加を決めたのだ。
広島と長崎に落とされた原爆が作られた過程を、この本で知ることができたのは意外でもある。
戦後に日本で開催された国際理論物理学会議に出席するためにファインマンが初めて訪日した時、
日本式旅館を気に入ったり、日本語を覚えようとしたり、日本を気に入ってくれたのはうれしかった。

物理学者としてのファインマンを知るには物足りないかもしれないが、
彼の人物に触れる書物として、もう一度と読み返したくなる。
凡人のぼくは、彼のように強くあれたらと嘆息するばかりであるが。

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by takeuchi-cl | 2015-04-06 09:00
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