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第96回 『ライフ・イズ・ビューティフル』

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(今週の写真:Marguerite )

いい映画はまたみたくなるものだ。
この映画もそのひとつである。
独身の頃にみたのだが、父になったいま、あらためてみなおした。

映画『ライフ・イズ・ビューティフル』(La vita é bella)は1997年のイタリア映画。
第二次世界大戦下に迫害を受けるユダヤ系イタリア人の家族の愛の物語である。
監督・脚本を手がけ、主人公グイドを演じたのはロベルト・ベニーニ。
決して男前ではない(とぼくは思う)が、彼が演じるグイドは、
明るくて、ユーモアがあって、機転が利いて、行動力がある魅力的な男だ。
グイドと恋に落ち、妻となるドーラを演じたニコレッタ・ブラスキは、ベニーニの実の妻である。

映画は、グイドとドーラが出会い、結婚して
男の子ジョズエ(ジョルジョ・カンタリーニ)と幸せな日々を送るまでの前半と
強制収容所収監後を描いた後半とに分けることができる。
前半はちょっと古ぼけたドタバタコメディというべきものだが、
ぼくはこういうのはきらいじゃない。多くの伏線が張られてもいる。
後半は一転して重いテーマながら、
これはゲームなのだとジョズエに言い聞かせて嘘をつきとおす展開は、
家族を守り、生きて帰ろうという希望を捨てなかったグイドの強さだろう。

気になるのは、謎かけが大好きなドイツ人医師レッシング(ホルスト・ブッフホルツ)の存在だ。
グイドは強制収容所で軍医であるレッシングと再会し助けを求めるが、
彼のいう重要な話というのは不可解な謎かけなのだった。
この謎かけの答えは一体なんなのか。
あるいは彼の関心はユダヤ人の命ではなく謎かけそのものにこそあったのか。
答えは謎に包まれている。

ドイツ兵に銃を突きつけられながら、隠れているジョズエの目の前ではおどけて見せたグイドの気丈さ。
その直後の乾いた銃声は、あっけなく、悲しく響く。
しかしながら、最後に本物の戦車を目の前にしたジョズエの表情は、
あくまでゲームの勝利を信じるものだ。
グイドの嘘が、ジョズエにとっては生き抜くことにつながった真実になっただろう。

父になってあらためてみなおしてみると、またちがった気持ちが湧き上がる。
このような極限の状況で、グイドのように家族への愛と生きる希望とユーモアを
持ち続けることができるだろうか。

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by takeuchi-cl | 2015-05-04 09:00
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