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第101回 自転車

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(今週の写真:水田とこうもりが飛ぶ夕暮れ )

ぼくは子どもの頃から不器用だった。
自転車に乗れるようになったのは小学校の四年生の頃だっただろうか。
周りの子どもたちはみな、当たり前の顔して自転車に乗っていた。
当時は男の子の間では十段階もギヤが付いているような自転車が流行っていた。
それなのに自分は補助輪付きのてんとう虫の絵柄が付いた自転車だ。
それがいかにも恥ずかしく思えてきたのだった。

補助輪を外してもらって家の前で練習したのを今でもよく覚えている。
自転車の後ろを母親に持っていてもらって、ぐいっと漕ぎ出す。
バランスが取れないから何回も転んで、泣いて怒って八つ当たりしたのだった。
何メートルか進めるようになると、母親は手を離す。
スピードに乗って、思い切りガシャンと電柱にぶつかった。
持ってってって言ったじゃん!と手を離した母親を責めたりした。

乗れるようになってからは、そんなこともすっかり忘れてしまって、
さも一人前の顔して自転車に乗って出かけるようになった。
しかしそれまでには、反復練習と親の支えがあったのだった。

ものごとが上達するためには反復して練習することが欠かせない。
頭では理解しても、体はすぐその通りには動かない。
わかることとできることの間には隔たりがあるのだ。
その隔たりを埋めるのは反復に他ならない。
そしてその過程には誰かの支えが必要だ。
いずれ支える手は離されるとしても。

地道な行為の繰り返しこそが習熟への唯一の道である。
転ぶことを恐れずに繰り返し一歩を踏み出すしかないのだ。
そして自分もまた、誰かを支える手を差しだしていきたいと思うのである。

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by takeuchi-cl | 2015-06-08 09:00
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