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第168回 プラチナ #3776 センチュリー

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万年筆 − それは果てなく広がる魔界の沼地。私の万年筆がまた増えた。「プラチナ #3776 センチュリー」である。

私の万年筆の用途はノートへの筆記が主。だからペン先は細いのが好い。太いと漢字は潰れてしまう。どうしても文字が大きくなる。それで内容まで大雑把になる。思考も大雑把になって仕方ない。私が使っている万年筆は全て「極細(EF)」だが、ひとくちに「極細」と云っても実際の太さはメーカーや製品によって異なる。また個体差もある。日本語を書くにはどうしたって日本製の万年筆が書きやすい。どうしてこんなことに気がつかなかったのかと思ってどうも情けない。これまで私の持っている万年筆はラミーもペリカンもドイツ製という偏りようだ。ラミー「サファリ」の「極細」は細いのに、「ラミー 2000」とペリカンの「スーベレーン M600」の「極細」は比較的太いのである。

ところで万年筆の愉しみはなんといおうとインクとの組み合わせの妙に尽きる。私の「サファリ」はイエローであるが、パイロットの「色彩雫 iroshizuku」 の明るい青色インクである「朝顔」をいれてよく使う。ポップな黄色の軽いペンから爽やかな青が細く出てその組み合わせがなんともいえず心地よい。ボルドーの「スーベレーン」には、同社のEdelstein インクシリーズからピンクがかった赤色である「RUBY」をいれている。これは日付や追加の記入、校正用に用いるのが主であるから、今の太さで一向差支えない。「ラミー 2000」にはパーカー QUINK「ブラック」を入れたり色彩雫の絶妙な青黒色である「月夜」をいれたり。右往左往してどうにも定まらずにいた。どうしたって出番の多い黒色をもっと細い字で書きたいのである。そこで細いペン先を持つ万年筆を探していたところ「プラチナ #3776 センチュリー」に出会った。

「#3776」は「シャープ さん なな なな ろく」と読む。富士山の標高に由来するそうである。ペン先をよく見ると富士山の峰を模して洒落ている。ハート穴も可愛らしい。ペン先の種類は豊富でさらに細い「超極細(UEF)」なるものもある。それから軟らかくしなって筆圧で太さが変わる「細軟(SF)」なるペン先。楽譜やデザイン文字用の「ミュージック」というペン先もあってそれにも惹かれる…がいやいやここはガマンのしどころである。「ブラックインブラック」「ブルゴーニュ」「シャルトルブルー」の軸色はどれも上質だが、今回は黒インクを使う万年筆を想定しているのである。とするとブラックインブラックか。でも黒軸にペン先やクリップが金色の組み合わせっていうのがちと気になると逡巡していたところ、なんということか。ありました。「ロジウムフィニッシュ」というのが。黒に銀色で渋くて好みである。さらに軸は黒でも透明感のある「ブラックダイヤモンド」というのがある。あぁ、これだ。これにしよう。あとは「極細」にするべきか、それとも「超極細」にするべきか。「ミュージ…、いや、いかん。それはいかん。ともかくAmazonを閉じて三光堂さんに行こう。

開店するや否や飛び込んで、いざ試し書きの段。書いてみれば忽ち判明する。「極細」が私として丁度よい細さである。硬さも好適で抵抗感と滑らかさが絶妙に両立している。なんというかスッと自分のものになって自然である。ところが「ブラックダイヤモンド ロジウムフィニッシュ」に「極細」の組み合わせがない。ガーン。ああ、一体どうすれば。そうしたらご主人が「付け替えてみましょうか」と一言。神様に見えました。「シャルトルブルー」の軸についていた「極細」のペン先を「ブラックダイヤモンド ロジウムフィニッシュ」に付け替えていただくことものの数分。「できました」と神の声。

「初めは同社製のインクでフローを確認する方がよい」とまた神のお告げがあったので、プラチナの黒インクとコンバータとおまけのカートリッジも握りしめ、興奮冷めやらぬまま帰途についたとさ。


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by takeuchi-cl | 2016-09-19 09:00
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