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第230回 柳田邦男『終わらない原発事故と「日本病」』

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柳田邦男の『終わらない原発事故と「日本病」』を読んだ。著者の柳田邦男氏は、半世紀にわたって数多くの災害や事故の現場に立った。「被害者・被災者の視点」で災害・事故を分析的にとらえてきた。本書は、2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を受けて、過去の災害・事故をめぐる評論・エッセイを編集したものである。災害や事故の根底には共通の問題点が潜んでいることを見抜き、人間のいのちを守るべき社会システムが病んでいる状況を「日本病」という言葉でとらえる。東電福島原発事故は、その「日本病」を最悪の形で露呈したのである。行政や企業の歪んだ倫理と人間のいのちの軽視について鋭く警鐘を鳴らし、その問題の解決を世に問うものである。

冒頭で著者は、どんな人でも「一編の長編小説に匹敵する物語」を生きているという。災害や事故は、突然に命を奪い、生活を失わせる。個人ではどうしようもできない不条理なものだ。遺されたものにも大きな傷を残す。傷を抱えたまま生きていかなければならない。その視点を持って感じ、考えなければならない。命の尊さを。生かされている命を大切に生きなければいけないことを。「私たちの平凡な一日一日は誰かの犠牲によって支えられている」と意識することの大切さ。日々の忙しさにまぎれてつい忘れてしまいそうになるが、とても大切なものを改めて思い出させてくれた。「他の誰かが」ではなく、「まず私が」始めよう。この本はいのちの重さを鋭く問いかけてくる。




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by takeuchi-cl | 2017-11-27 09:00
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