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第240回 塩野七生『ギリシア人の物語 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』

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あれは私が高校生のころだったと思う。学年でいうと二つ上で、大学入学とともに家を出た兄の本棚に『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』があった。長くて印象的なタイトルの本。初版発行は1970年と、私が生まれる前の本だ。当時の私は手にはとっても、読むことまではしなかった。だから内容は知らない。だけれども、それから二十数年を経て同じ著者の『ギリシア人の物語』を読むことになって、『チェーザレ…』のタイトルをみてこのことを思い出したのであった。高校では社会科は選択制であったので、世界史について系統的に学んで来なかった私は、ギリシア世界のことをよく知らなかった。この歳になってようやくギリシアの歴史に興味を持ち、塩野七生氏の2015年からのシリーズ全3巻を手にとって、今度は読んだのだった。
塩野七生氏を代表する作品といえば15巻からなる『ローマ人の物語』であるが、この超大作を読み始めるのにはかなりの勇気がいる。それで全3巻ならば読みやすいと『ギリシア人の物語』に手を伸ばしたのである。舞台の始まりは紀元前8世紀のギリシア。リクルゴスの憲法を頑なに守り続けた寡頭政のスパルタ。ソロン、ペイシストラトス、クレイステネス、テミストクレス、ペリクレスと民主政を創り発展してきたアテネ。ペルシアの侵攻やペロポネソス戦役を経て成熟した民主政は崩壊を迎え、都市国家ギリシアは終焉に至る。新たに力を伸ばしたマケドニアの王、アレクサンドロスがギリシアを従えての東征が描かれる三部作。史実に基づき、わからないところも著者の想像で埋められており、そのために返ってこの時代の雰囲気が手に取るように伝わってくる。『ギリシア人の物語』、とても面白かった。今度は『ローマ人の物語』も読んでみたい。




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by takeuchi-cl | 2018-02-05 09:00
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